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不登校対応1
不登校の子供が抱える秘密
~最も重要なことを最後まで話さない~
人の心には「誰にも言いたくない秘密」があるものです。
今、これを読んでいるあなたにも、
「これだけは言えない……」
ということが、
きっといくつかあるでしょう。
相手のことをどんなに信頼していても
「できれば秘密にしておきたいこと」は、けっこうあるものです。
不登校の子供も同じです。
親のことを信頼していても、
「できれば秘密にしておきたいこと」があります。
ですから、不登校の子供と接する時、
そういった秘密があることを前提としておかないと、
会話のやり取りが不明瞭になります。
特に、子供が徐々に口数を増やしてきた場合、親としては、
なんだか全部を話してくれているような気になりがちですが、
そこで油断してはいけません。
「最も重要なことを最後まで話さない」
ということは多いんですよ。
典型的なケースは、いじめ。
いじめを受けている場合、
「親に心配かけたくない」という思いや、
「格好悪く思われるんじゃないか」という思いから、
秘密にしていることが多いものです。
その他のケースでも、
ずいぶんと後になってから重要なことが判明して、親が愕然とし、
「それを早く言って欲しかった……」
と嘆くケースは少なくありません。
「秘密はあって当然。秘密を尊重した上で、
子供と上手く接するには、どうしたらいいか」
そう意識しながら子供に接することが大切です。
簡単な不登校対応で、
子供が見違えるようにイキイキと輝く!
不登校のお子さんをお持ちの親御さんと話していると、
簡単なことを難しくしようとしているケースが多いように思います。
不登校に限りませんが、
自分にとって問題だと思えることは、
難しいと考えた瞬間に難しくなります。
本当は簡単なことでも、
「これは難しい」と考えた瞬間に、難しく考えてしまうのです。
たとえば、不登校の子供にとって、お母さんが毎朝笑顔で
「おはよう」と言ってくれることは、大きな救いですよね。
毎朝、笑顔で「おはよう」と
子供に声をかけることは簡単でしょう?
でも、そういった簡単なことはやらずに、
難しいことをやろうとするお母さんが多いんです。
そういうお母さんは、
「不登校の子供と接することは難しい」
と考えてしまっているので、
その瞬間から難しい思考が始まり、
難しいことを求めてしまっているのでしょう。
毎朝心配そうな顔をして、
「○○の施設に入れてみようか」
「△△の先生に診てもらおうか」
……などと難しいことばかりに気をとられている
お母さんはけっこう多いんですよ。
そうやって難しいことをやろうとするから、親も子供も
なんだか難しいものにぶつかっているような気がしてしまい、疲弊するんですね。
実は、不登校の子供が求めていることは、
「親が簡単にできること」であることが多いものです。
笑顔で声をかけてくれることだったり、
話を「うんうん」と聴いてくれることだったり……
簡単なことを一番必要としているケースが多いんですよ。
(ほんのささいなことを親がしてあげただけで、
子供が“自力”を発揮しやすくなり、
自らの手で不登校を抜け出したケースも多いんですよ)
不登校のお子さんをお持ちの親御さんへ。
簡単なことをおろそかにして、
難しいことをやろうとしていませんか?
不登校対応は、簡単なところから。
これが鉄則です。
不登校対応で迷った時の、3つの視点
子供が不登校で困っている場合、
どうしたらいいか、迷ってしまうことは多いと思います。
そこで、「とにかく誰かに何とかしてほしい」
と感じてしまうことがあるかもしれませんが、
そういうときこそ、冷静さが必要です。
基本的には、次の3つの視点で考えてください。
1.法律で判断できることは、
法律の専門家の力を借りて解決すればいい。
2.医学で判断できることは、
医師の力を借りて解決すればいい。
3.法律や医学で判断できないことは、
他の専門家の力を借りて解決すればいい。
明らかに、法律や医学で判断すべき場合(※)、
モタモタしていると、事態は悪化します。
(※犯罪性のあるもの、身体的病気、精神的病気…など)
そういう場合には、素早い対応が大切なので、
すぐに、法律や医学の専門家に協力してもらいましょう。
「これは、法律や医学では解決できない」
と判断した場合、他の専門家への相談を検討してください。
不登校対応2
不登校の子供に接するときに
気をつけること
不登校のお子様をお持ちのご両親は、
どのように接していいか悩むことも多いと思います。
そこで、これから、不登校の子供と接するときに
気をつけることをお伝えします。
・表面的なできごとで一喜一憂しない
(学校に行ったら喜び、行かなかったら落ち込む…
を繰り返していると、精神的に疲れますし、
子供の側としても
「学校に行きさえすればそれでいいのかよ!」
と不信感を抱く可能性が高まります)
・子供は大人ほど感情をコントロールできないことが
多いので、子供の感情を変えようとするのではなく、
親の感情を変える
(親子間で悪循環が起きている場合、
悪循環を断つことを子供に期待するのではなく、
親のほうで悪循環を断つほう努力をしたほうが賢明です)
・子供は「学校に行かない理由」を
うまく説明できないことが多いので、
理由の説明を求め過ぎない
・不登校の子供は、自分を傷つけることで
自分を守ろうとすることがあるので、
責めすぎないよう注意する
(子供が自分を傷つけることで自分を守れると思うのは、
「傷つけば誰も責めてこなくなる」と思うためです。
“責めすぎ”に注意しましょう)
・脅すのはダメ
(「学校行かないと○○するわよ!」と言うのは完全に脅し)
親に脅されると、
追い詰められて自殺願望が高まることが多い。
もしくは、
強烈な反抗心が芽生え、報復願望が高まることが多い。
・犯罪は絶対にいけないことを強調する
(どのような理由があっても犯罪はいけないこと。
それを教えるのは親の義務)
非言語コミュニケーション
心理学などを少し勉強した方はご存じかもしれませんが、
人間関係のコミュニケーションは、
言葉よりも言葉以外が大きく作用しています。
つまり、
「言葉を使って会話しているときでも、
言葉以外の要素で会話している」
ということです。
顔の表情、声のトーン、身振り手振り、
直感で伝わる空気、…など。
言語以外の要素で
お互いにコミュニケーションを取っています。
あなたも、経験ありませんか?
「なんとなく楽しい会話だったけど、
何を話していたかあんまり覚えていない…」
といったようなことが。
このようなことは、自分が使い慣れていない言葉を
多く使われた場合に起きます。
例えば、専業主婦の方が
上場企業の役員会議に出席したら、
ほとんどの方は内容を覚えていないでしょう。
でも、「あの偉そうにしていた役員は
従業員から嫌われているんだろうな」といったように
言葉以外の要素は覚えているはずです。
反対に、上場企業の役員が、
専業主婦の井戸端会議に参加したらどうでしょう?
そこでは専業主婦が使い慣れている言葉で話が進みます。
専業主婦をやったことがない役員さんは
話の内容をさっぱり忘れてしまうかもしれません。
でも、「あの奥さんは結構気が強そうだな」といった
ように、言葉以外の要素は覚えているはずです。
つまり、自分が使い慣れていない言葉で話されると、
言葉をほとんど受け取ることができず、
言葉以外の要素を多く受け取ることになるのです。
これは、不登校の子供とコミュニケーションをとる
場合にも当てはまります。
子供は、大人の言葉を知りません。
もちろん、すべてではありませんが、
大人が使い慣れている言葉の多くを
子供は知らないのです。
そのために、大人からいい話を聞いても、
それが頭に残らないことが多いのです。
仮に大人の言葉を理解できて、
「いい話を聞いた」と思えても、言葉以外の要素が悪かったら
「なんだかムカつく!」で終わってしまいます。
コミュニケーションでは言語より非言語が強いのですから。
不登校の子供とコミュニケーションをとる場合は、
まず、言葉以外の要素を良い状態にしてください。
良い表情をしていますか?
声のトーンは優しいですか?
身振り手振りは威圧的になっていませんか?
言葉以外の要素をチェックしてみてください。
それが良いものであって初めて、
親の言葉が子供に伝わります。
「聴く」ことの難しさ
不登校のお子様をお持ちの親御さんへ。
子供の話を聴くことは簡単だと思っていませんか?
もし、簡単だと思っているなら、
今すぐ考え方を変えてください。
たしかに、聴き流すことは簡単です。
何も考えずにボーっとしながら聴いていればいいのですから。
でも、子供の話を聴き流していては、
良好なコミュニケーションとは言えません。
そのうち、子供も話をする気をなくすでしょう。
「聴く」という行為は
一般の人達が思っている以上に難しいことです。
まず、本当の話を聴くためには「沈黙」が必要です。
子供と会話する時、
お互いしゃべらずに黙っている時間を持てますか?
沈黙すると気まずく感じる人が
ほとんどではないでしょうか?
何秒くらいだったら耐えられますか?
通常なら、5秒でも耐えがたいでしょう。
一般社会では、
沈黙が良しとされない場合も多々あります。
そのため、ほとんどの人が沈黙を重視しません。
けれども、本気で子供の話を聴きたければ、
沈黙は欠かせないと言ってもいいほどなのです。
なぜ、沈黙が重要なのかと言えば、
沈黙がやってくる前に話を切ると、
本当に話したいことまでたどり着かないからです。
自分が話しているときのことを思い出してください。
話しながら考えていませんか?
話す前から考えが完璧にまとまっていて、
言いたいことも文章表現もしっかり定まっているなら
別ですが、通常の会話でそこまで念入りに
用意していることはほとんどありません。
つまり、通常の会話では、話しはじめた段階で
「話したいこと」がまとまっていないのです。
話しながら徐々に「話したいこと」をまとめていっている
傾向が強いのです。
そうやって話しているうちに
「本当に話したいこと」に気づくケースが多いのです。
とりあえず話し始めて、いろいろと話しているうちに
「話したいこと」がまとまってきて、
そのうち、自分でも気づかなかった
「本当に話したいこと」に気づく。
こういう流れです。
ですから、聴く側(親)に求められる姿勢は、
子供の話を止めないことです。
子供の話がいったん止まっても、
そこで黙っていれば、子供は次に話すことを考えます。
もし、沈黙が長いようでしたら、
それまでに子供が話したことを要約してあげてください。
「つまり、~~ということ?」というふうに要約して
返してあげるのです。
すると、子供は話をつづけます。
そうやって話せるだけ話して、
「もうこれ以上話すことはない」と感じた瞬間に、
子供自身も気づかなかった
「本当に話したいこと」が出てきます。
その理由は簡単。
話しているうちに
だんだんと頭のなかが整理されてきて、
頭のなかが整理される前には分からなかったことが
分かってくるからです。
ちらかった部屋では
探し物がなかなか見つかりませんが、
きちんと掃除をすると簡単に見つかるようなものです。
子供の話を限界まで引き出すために、
「沈黙」を上手く利用してください。
沈黙が長いようなら「要約」を上手く利用してください。
自分が言いたいことは言わずに終わってもいいんです。
子供が本当に言いたいことを言わせてあげる。
それが「聴く」ということです。
沈黙と要約を重視しながら、しっかりと聴く。
このことが、
不登校の子供と接するときに重要なポイントとなります。
不登校対応3
感情の前に言葉がある
ある出来事が起きた時、
その出来事に感情を抱くことがあります。
例えば、「子供がイライラしている」という出来事が起きた時、
「子供がイライラしている」という出来事に
「怒り」の感情を抱いたとします。
その時、次のように、2段階で考えていませんか?
子供がイライラしている
↓
怒りたくなる
けれども、実際は3段階なんです。
子供がイライラしている
↓
「なんでイライラされなきゃいけないのよ!」と思う
↓
怒りたくなる
多くの人は、
ある出来事が起きて、
それに対する感情が湧くと思っています。
出来事が起きる
↓
感情が生まれる
でも、実際は、
出来事が感情を引き起こすわけではありません。
自分の言葉が感情を引き起こしています。
出来事が起きる
↓
出来事に関して自分に語りかける
↓
感情が生まれる
このことから分かることは、
「自分に語りかける言葉を変えれば
感情をコントロールすることができる」
ということです。
ある出来事が起きた時、
自分への語りかけに注意してください。
自分への語りかけを好ましいものに変えてください。
すると、感情も好ましいものに変わります。
これは、不登校の子供を持つ親にとって、
非常に大切なことです。
「救おう」としない
不登校の子供を見ると、
つい、なんとか救ってあげたくなります。
でも、「救おう」とすることが
事態の悪化を招くことも多いのです。
不登校の子供によっては、
「自分は弱者じゃない」という意識を強く持っています。
そんな子供を「救おう」としたら、
「救ってもらう必要なんてない」という抵抗が生まれます。
また、「救おう」とすると、話を聴く態度を忘れがちです。
「~~したほうがいい」「~~してみたら?」などと
語りかける頻度が多くなると、
「ぜんぜん話を聴いてくれない」という不満が
生まれることがあります。
不登校の子供にとって必要なことは、
「気持ちを受け入れてもらうこと」です。
「親の知識や能力で救おうとすること」ではありません。
不登校の子供をお持ちの親御さんは、
「救おう」としていないか、気をつけてください。
子供の気持ちを聴くことは難しい
相手の言うことを、そのまま聴く。
これは、本当に難しいことです。
例えば、「もう、学校に行きたくない」
と子供に言われたら、なんと答えますか?
「どうしたの?」とか、「何かあったの?」とか、
言ってしまいませんか?
でも、そういった質問を返してしまうと、
子供は“ありもしない理由”を作ってしまうかもしれません。
自分でも分からないまま、
「お母さんに理由を聞かれたから、何か言わなきゃ…」
と思ってしまうかもしれません。
結局、親が子供を“誘導”してしまった形になります。
子供の言うことをそのまま聴くなら、
落ち着いた表情で子供を優しく包み込むように、
うんうんとうなずきながら、
「学校に行きたくないんだ~」といったように
(ほぼオウム返しで)返してあげるべきです。
すると、子供は、「特に理由はないんだけどさぁ…」
といったように自ら話し始めます。
もちろん、何も話し始めないかもしれません。
でも、その時に焦って、
質問攻めしないように注意してください。
子供は、言いたいことをまとめるための時間を
必要としているだけかもしれません。
“沈黙はいいこと”だと思うくらいで、ちょうどいいです。
あまりに沈黙が長くなるような時は、
「お母さん、話、何でも聴くよ」といったように、
子供を“誘導”しないような言葉で、
さりげなく間を埋めてあげてください。
相手の言うことを、そのまま聴く。
これができるようになると、
不登校の子供と親の関係が
全く違ったものになります。
不登校対応4
不登校対応で怖いこと
いいと思うことは、何をやってもいいと思いがちです。
「たくさん食べたほうがいい」と思っている人は、
食べすぎが身体に合わない人にも、
食べることをすすめてしまいます。
「勉強したほうがいい」と思っている人は、
明らかに勉強が向いていない人にも、
勉強をすすめてしまいます。
「結婚したほうがいい」と思っている人は、
結婚しないほうが幸せな人にも、結婚をすすめてしまいます。
すべて善意から来るものですが、
だからこそ厄介なのです。
悪意なら、ブレーキを踏みますが、
善意だと、アクセルだけを踏みがちです。
だから、私は、
悪意よりも善意のほうが怖いと思っています。
相談を受けていると、つい、善意で
「~~したほうがいい」と言いたくなることがあります。
でも、実際に言ってしまうと、
それが原因で悪い方向にいったりします。
善意で言ったことが、思わぬ展開で結果的に悪くなる。
そういうことが山ほどあるのが、この世の中です。
善意だったら何でもやっていいわけではありません。
「善意ならすべて許される」というなら、
この世は成立しません。
このことを覚えておかないと、
とんでもない失敗をしがちなので注意してください。
不登校の子供を持つ親御さん、
「良いと思うことは、何でもしていい」
と思っていませんか?
もし、思っていたとしたら、
危険ですので、すぐに改めてください。
子供が興味を持っていることを
入口にする
学歴に興味が無い子供に、
いきなり進学の重要性を熱っぽく語っても、
耳にシャッターがおりてしまいます。
ですから、そういう場合、
子供が興味を持っていることに関連づけて
話をスタートする必要があります。
音楽に興味がある子供なら、
「X JAPANのYOSHIKIって、
ある時から猛烈に勉強して大学進学を果たしたんだって。
なぜ、彼が、そこまでしたかって言うとね……」
というふうに、話をスタートさせます。
学歴無しの人生に憧れている子供には、
「学歴なんて無くたって成功している人、たくさんいるんだね。
お母さん、知らなかった。
学歴なんて、どうでもいいのかもね。
ZOZOTOWN(株式会社スタートトゥデイ)創業者の
前澤さんなんかも高卒みたいだし……」
というふうに、会話の入口は子供の興味に合わせて、
いつの間にか、自分のテーマに引き寄せていきます。
こういうふうに、
話の入口を子供に合わせるようにすると、
子供が興味を持っていない話題でも、
簡単に聞いてもらえます。
良くなりたい。でも…
人間は、心のどこかで、
「良くなりたい」と思っているものです。
「もうちょっとマシな人間になりたい」
「もっといい人生を送りたい」
といったように、
いろいろな面で「良くなりたい」と思っているものです。
もちろん、個人差はあるでしょう。
強く思っている人もいれば、
あまり思っていない人もいるでしょう。
ただ、程度の差はあっても、誰もが
心のどこかで「良くなりたい」と思っているはずです。
けれども、それと同じくらい、
「良くなりたくない」と思っているのも人間です。
なぜなら、
良くなるためには“変化”が必要だからです。
場合によっては、長年かけて積み上げてきたものを
壊さなければなりません。
ですから、
「良くなりたい」と思った瞬間に、変化への抵抗が起き、
「そんなに簡単には良くなりたくない」
と思ってしまうわけです。
不登校の子供も同様です。
「学校に行きたい」「いじめから逃げたい」と思っても、
変化への抵抗が起き、
そうそう簡単には実行したくないのです。
この心の動きを理解していないと、
親は子供に、
「学校に行きたいなら行けばいいじゃない」
と、とんちんかんなことを言ってしまします。
「良くなりたい」と思うのと同じくらい
「良くなりたくない」と思ってしまう。
このことを頭に入れて子供と接することが大切です。
不登校対応5
不登校の子供と口論してしまう親
不登校の子供と口論してしまうことについて
悩んでいるご両親へ。
子供が学校に行かない
↓
心配
↓
つい、余計な一言を言ってしまう
↓
子供と口論になる
↓
自己嫌悪におちいる
子供が不登校の場合、こういった経験をされている
ご両親は多いことと思います。
私も経験があります。(私の場合、子供の側ですが…)
親の一言に不安をあおられて、その不安を
なんとかして消失させたいから必死に親に反論する。
その結果、とんでもない口論になり、親も私も疲れ果てる…。
そういった経験を何度もしました。
このような場合、
1つ知っておいていただきたいことがあります。
まず、第一に、
「親子間のコミュニケーションの問題としてとらえない」
ということです。
親と子の間にコミュニケーションの問題があると
早合点しないでください。
実際、問題はありません。
(コミュニケーションを取れている時点で
問題ありませんから…)
あえて問題視するとすれば、
親と子それぞれの内面的コミュニケーションに
問題があります。
親も子も、自分自身とのコミュニケーションが
上手くいっていないから望まない口論を生んでいる
と言えるのです。
だって、そうでしょう?
自分自身と上手く対話できる人は、
他人とも上手く対話できます。
「○○と言われると△△と感じるのでは?」
と自分自身と対話できていれば、
他人に向けて発する言葉を適切に選ぶことができる
ので、余計な衝突を回避できるのです。
ですから、親子間で口論となってしまう場合、
まずは、
自分自身とのコミュニケーションが上手くいっているか、
振り返ってみましょう。
次に、口論することを否定的にとらえないでください。
口論できるということは、非常に喜ばしいことです。
口論するためには、けっこうエネルギーを要します。
頭も使いますので、賢くなければ口論はできません。
そういう意味で、口論できるということは、
エネルギーが高くて賢い証拠なのです。
親も子もエネルギーが高くて賢い。
こんなに喜ばしいことは、なかなか無いと思いませんか?
不登校の子供と口論してしまうことについて
悩む必要はありません。
むしろ、喜ばしいことだらけであることに気づいてください。
世界は1つだけど、1つじゃない
最近、ある人から教わったことです。
「世界は1つだけど、1つじゃない」
一瞬、意味不明でした。
でも、よくよく聞いてみると、
その意味は実にシンプルで簡単でした。
「世界で起きている事実は1つ。
でも、その事実の見方によって、
無数の世界が生まれるんだ」
「たとえば、ここにバナナがある。
“バナナがある”という事実は1つだよね。
でも、このバナナを見て『おいしそう』と感じる人も
いれば、『色が変だな』と思う人もいる。
バナナを食べる習慣が無い国の人が見たら
『なんだ、これは?』と感じる。
つまり、世界で起きている事実(バナナがある)は
1つでも、見方が人によって違うために、
『おいしそうなバナナがある』という世界や
『色が変なバナナがある』という世界や、
『謎の物体がある』という世界が生まれるんだ。
だから、世界は1つだけど、1つじゃないんだ」
事実は1つ。
でも、その事実の見方は無数にある。
そして、その見方は自分で選べる。
それは、不登校にも当てはまります。
「子供が不登校」という事実は1つ。
でも、その事実の見方は無数にあります。
「子供が不登校でつらい」という見方もあれば、
「不登校の子供は強い」という見方もあります。
どの見方を選ぶか。
それは、自由自在です。
不登校の子供の力を引き出す方法
これは、不登校の子供に限りませんが、
人間は、共感され、
受け入れてもらった時に潜在力を発揮します。
自分の気持ちに共感してくれる人がいた時、
自分という人間のありのままの姿を
受け入れてもらった時、
人は自分でも信じられないくらいの力を発揮します。
不登校の子供を持つ親御さんは、
ただただ我が子の気持ちに共感してください。
ただただ我が子の存在を受け入れてください。
それだけで、子供は生き生きとしてきます。
子供にとって最善の道を歩むようになります。
不登校対応6
言葉に出さないことを
感じ取れますか?
これは不登校の子供に限りませんが、
子供と接するときには、
“言葉に出さないことを感じ取る力”が大切です。
普通に考えると、当然ですよね。
通常、子供は大人よりボキャブラリーが少ないので、
言葉で表現したくてもできないことが多いはずです。
そう考えると、子供には、
“言葉に出さないことを感じ取ってもらう力”が
必要だと分かります。
ですから、親が、“言葉に出さないことを感じ取る力”を
身につけておかないと、子供とのコミュニケーションが
浅いものとなってしまいます。
場合によっては、親も子供も混乱します。
“言葉に出さないことを感じ取る力”を身につけるために、
「子供と同じ気持ちになりながら、
子供の気持ちを客観的に見る」
という習慣をつけましょう。
文章にすると、
矛盾しているように感じるかもしれませんが、
「子供と同じ気持ちになりながら、
子供の気持ちを客観的に見る」
という感覚は、一度体感すると、よく分かります。
初めのうちは、上手くできないかもしれませんが、
根気強くトライして、少しずつ上達していきましょう。
そうすることで、
子供とのコミュニケーションが良好となります。
禁止で、拍車がかかる
破壊的衝動が高まっている時、
「~してはいけない」と禁止すると、
「~してやる」という方向に拍車がかかります。
例えば、
「肺がんになって死んでもいいや」と思っている人に、
「タバコを吸っちゃダメ!」と禁止令を出すと、
「俺の好きにさせてくれ!放っといてくれ!」
と、タバコを吸う方向に拍車がかかります。
不登校も例外ではありません。
「このまま不登校つづけて、卒業できなくてもいいや」
と破壊的衝動が高まっている時に、
「不登校はダメ!」と禁止令を出すと、
不登校を続ける方向に拍車がかかります。
破壊的衝動が高まっている時、
「~してはいけない」と禁止すると、
「~してやる」という方向に拍車がかかる。
このことは、不登校の子供と接する時に、
特に頭に入れておいていただきたいことです。
間隔を置くことの重要性
不登校対応で重視すべき点は、
“間隔を置く”ということです。
人間は急には変われません。
特に、頭の中が混乱している場合や、
感情的になっている場合などは、
なかなか変わることができません。
しかし、1日で驚くほど変わるのも人間です。
1日では難しくても、
1週間で急激に変わるケースは
結構多いものです。
急に変わらない場合と、急に変わる場合。
両者の違いは、間隔を置いているかどうかです。
間隔を置くことで、
人間は“自力”を発揮しやすくなります。
自力を発揮できると、
短期間で驚くほど変わることも可能となるのです。
不登校の子供と接する時は、
“じわりじわり”が基本です。
「絶対、今日中に解決しなきゃ!」と焦るよりも、
間隔を置いて、じっくりと向き合うほうが
得策です。
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